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北鎌ゲベ戦記 〜家のこと、庭のこと〜

見習庭師23歳のしごく家庭的な日記。北鎌倉駅前からお送りしております。

5月30日(月)

雨はほとんど降っていない(翌日聞いたら、鎌倉は大雨でやはり仕事は休みになっていた)。8時半、アパート前で解散。いきなり転がりこんだ初対面の自分なんかを、ごく「自然」に迎え入れてくれて本当ありがたい。自然体の人はこの世で一番美しい素朴な光を放っている。お土産、鳩サブレー(しかも3枚)だけでどうもすみませんでした。イッペイを紹介してくれたシンスケにも感謝。
 
歩いて20分ほどの農耕機具店に向かうつもりが、歩き始めて、モヤモヤ再燃。予定変更。やっぱり本屋へ行こう。行く先は一乗寺恵文社。どうしても本が読みたくなってしまった。正確には、本屋でいろんな本を眺めたくなった。このモヤモヤ(たぶん昨日の続き)を晴らしたい。無数の言葉に囲まれて、自分の「本当のこころ」を探したい。出会いたい、と思った。開店にはまだ早いので、烏丸五条のコメダでモーニング(やっぱり名古屋好き)。リサイクルショップに入り、家で使えそうな和盆500円を購入。これから本屋へ行こうというのに古本屋に吸い込まれて。黒井克行『男の引き際』100円購入。
 
12時、恵文社着。案の定、知的好奇心くすぐる素敵な本屋さんでした。なにより陳列がすばらしい。ほとんど意味不明。いや、わかる人にはわかる。あいうえお順じゃ探せない。ここは迷子になって見て回らないといけません。1時間ほど漁った挙句、西川勢津子『勢津子おばさんの掃除読本』、セバスチャン・サルガド『わたしの土地から大地へ』、早川義夫『たましいの場所』の三点購入。併設のカフェで遅めの昼。買った本をさっそく広げながら、サルガドの言葉がちょっと引っかかる。
 
写真家にいちばん近い親戚は建築家だ。レリアが建築を勉強していたので、そのことを発見した。わたしたちと同じで、建築家も充実と空虚のあいだを泳ぎわたる。光、線、運動というような問題のなかを。自分自身の生活様式と自分のイデオロギー、自分の歴史のあいだに一貫性を持たせようという試みのなかを。そしてこういうものがみんな、最後にはおたがいに結びつく。建築が魔法なのはここのところで、写真も同じだ。
 
もう夕暮れ。京都駅に向かう途上、渉成園なる庭園を発見。割とどうでもよかったのだけど、試しに入ってみる。庭師に遭遇!せっかくなので京の庭仕事というものをこっそり観察させてもらいました。改めて、今、目の前で、泥臭く汗水垂らして働いている人ってかっこいいなあと思いました。尊くて尊くて、ほんと頭が下がります。それに比べて今の自分は…。まだまだまだまだまだまだだなと。よっしゃあ!現場に出るしか道はない!北鎌に帰ろう!と、ここでもまた元気をもらうのでした。
 
19時、京都駅にてカズと待ち合わせ。一年ぶりの再会。近況報告もほどほどに、ぼくの方から誘ってカラオケに行きました。もう、スカッとしたかった。2時間歌いまくり。最高。『島人ぬ宝』ってこれほんといい曲だなーと、(自分で歌っといて)いたく感激してしまいました。どういう因果か『紀元二千六百年』をいれるカズ。あれ。これ最近どこかで聴いたような…。そしてお勘定。ちなみにカズは生粋の京都人なのですが、彼曰く「だからこそ」たいそう太っ腹な男なのでした。いい奴だなあ。そんなこんなで、一泊三日の京旅行の終わりには、一度嫌いになった京都のことがまた好きになっていたのでした。テキトーだな、自分。
 
23時45分、夜行バス出発。とにもかくにも無事に鋏が買えてよかった!お世話になったみなさん、本当にありがとうございました!